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ミケランジェロのフレスコ画「最後の審判」を前にシスティーナ礼拝堂でコンクラーベの準備をする作業員ら=バチカンメディア提供

 7日に始まる次期ローマ教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」に向けて、駆け引きが激しさを増してきた。本命候補の枢機卿には健康不安説が浮上。マクロン仏大統領によるコンクラーベへの干渉を疑う報道も出るなど、真偽不明の情報戦が過熱している。

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 バチカンのブルーニ報道官は2日の記者会見で、パロリン枢機卿(70)の健康問題をめぐる米国などの一部メディアの報道について「そんなことは起きていない。真実ではない」と明確に否定した。

 イタリアメディアによると、フランシスコ前教皇のもとでローマ教皇庁(バチカン)のナンバー2である国務長官を務めたパロリン氏は、改革派と保守派双方の折り合える人物として本命に浮上。コンクラーベの直前に健康不安説が出たことは、パロリン氏が次期教皇争いでリードしている裏返しとの見方が強まっている。

 ただ、カリスマ性ではフィリピンのタグレ枢機卿(67)を評価する声があるほか、保守派がハンガリーのエルドー枢機卿(72)に投票先を一本化する動きも伝えられており、現時点でも結果の予測は難しい。

 パロリン氏の健康不安説の他にも、イタリアの主要紙コリエレ・デラ・セラがマクロン氏について「右翼に支持される保守派候補の擁立阻止を狙っている」と報道するなど、投票本番に向けて情報が交錯している。

 半世紀近くバチカンを取材する英BBCの元記者デービッド・ウィリーさん(92)は「フランシスコ教皇はカトリック教会がかつてないほどグローバルサウスを意識する組織へと変わる道を開いた。次の教皇がそれを引き継ぐか時計の針を戻すか。大きな転換点だ」と話す。

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